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幻煌龍バージェストマ紹介

 9期最後のブースターパック「マキシマム・クライシス」にて登場した新規テーマ「幻煌龍(げんおうりゅう)」。通常モンスターを活かして展開していくという、9期の効果モンスター量産のスピードビートデッキとはまた違った感じのテーマで面白いなと思いました。

 発売前から作ってみたいと思っていたのですが、入れられるカードが少なく(幻煌龍テーマのカードは8種類しかない)、幻煌龍カテゴリでデッキを作ることが出来ず、ということは必然他のテーマと混ぜる必要がありました。私はそういう組み合わせを考えるのがとんと下手なので、さてどうしましょうと発売されてもデッキを作れずにいました。

 やはり組み合わせるなら通常モンスターテーマだと思い考えた結果、通常モンスターとして展開をする罠カードという異色のテーマ「バージェストマ」となら、両方の良いところを活かせるのではないか。と判断し、作ってみることにしました。

両テーマのシナジーについて

 なぜこの組み合わせをしようと思ったのか。やはり通常モンスターテーマだからというのもあるのですが、罠カードだったら相手ターンにも通常モンスターを展開しやすいのですよね。幻煌龍テーマの最重要カードとして「幻煌の都 パシフィス」というカードがあります。

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このカードのカード名はルール上「海」として扱う。このカードの効果を発動するターン、自分は効果モンスターを召喚・特殊召喚できない。①:1ターンに1度、自分が通常モンスター1体の召喚・特殊召喚に成功した場合に発動する。デッキから「幻煌龍」カード1枚を手札に加える。②:自分フィールドにトークンが存在せず、相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した場合に発動できる。自分フィールドに「幻煌龍トークン」(幻竜族・水・星8・攻/守2000)1体を特殊召喚する。 

※ この記事で扱うカード画像、テキストは遊戯王カードデータベースから引用しています。

 このカードは1枚で「トークンの生成」「通常モンスター1体の召喚・特殊召喚成功時、幻煌龍カードサーチ」をこなす、9期らしいカードです。

 「トークンの生成」が出来るのであれば、別にこのカードを守るだけでいいのではないかとも思われるかもしれないですが、その効果には「トークンがいない時のみ発動できる」制限があります。なので、トークンがフィールド上に残っているときの通常モンスター召喚の手段がほしいわけです。

 更に言うならば、サーチ効果は1ターンに1度のみなので、相手ターンにも通常モンスターを出して多くの幻煌龍カードを集めたい。ということで通常モンスターを相手ターンにも出せるカードを用意したいところなのです。

 なので、相手ターンにも通常モンスターを展開しやすいバージェストマは、幻煌龍サーチに繋げやすい相性の良いテーマだということです。

 

 また、バージェストマテーマを使う理由に幻煌龍カードの特性があります。幻煌龍と名のつく罠カードには「フィールドに海が存在する時手札から発動できる」という共通効果があります。一例として一枚紹介します。

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フィールドに「海」が存在する場合、このカードの発動は手札からもできる。①:自分フィールドのモンスターが通常モンスターのみの場合、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。②:墓地のこのカードを除外し、自分フィールドの通常モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターが装備可能な自分フィールドの全ての「幻煌龍」装備魔法カードをその通常モンスターに装備する。 

 このカードは場に通常モンスターしかいない場合、相手フィールドのカードを問答無用で一枚破壊できる強力カードです。更に罠カードなのでこのカードの発動にチェーンしてバージェストマカードを墓地から特殊召喚できます。そしてこのときパシフィスの効果を発動していなければ、次の幻煌龍カードを手札に加えられます。良い動きをします。

 このカードの他に相手モンスターの攻撃力を下げて効果を無効化させる「幻煌龍の浸渦」というカードが有ります。このことから、どちらかと言うと攻撃力をものすごく上げたりモンスターを大量に展開するというよりかは、相手のカードを破壊、無効化してメタるテーマだと分かります。一方バージェストマも相手のカードをメタるカードが多いです。方向性が近いので、噛み合わせがよく混ざっても使いづらいという印象は受けません。これらの理由で、2つのテーマは双方の良いところを引き出せるのだと確信しました。

 

デッキ紹介

 ではデッキ紹介です。次のデッキは実際に私が作ってみたデッキで、カードが見つからなかったりして用意できなかったという状況も再現されております。

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※このデッキはガチャログ.comというサイトで作成しました。

 メインである幻煌龍スパイラルは2枚に抑え、その分をバージェストマカードに置き換えています。最重要カードであるパシフィスを手札に加えるためにフィールド魔法サーチカードを4枚入れています。一枚は「終焉の地」という、相手が特殊召喚を成功した時にフィールド魔法カードを発動できるという相手依存のカードです。相手ターンにパシフィスが破壊された後にこのカードを使って貼り直しをするとすごい嫌な顔されます。

 バージェストマカードとしては、

・サイクロン

・月の書

・表側表示のカード除外(手札コスト1)

・デッキから罠を墓地に

・除外されているカードを墓地に戻す

という5種類のカードを入れています。他にも攻撃力を上げ下げするカード、手札交換カードもあるのですが、デッキの性質を見てメタ要素の強いカードを入れたほうが回しやすいと判断して今回はそれらのカード入れませんでした。

 また、同じ性質を持つ「幻影騎士団ロスト・ヴァンブレイズ」を入れています。

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①:フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。ターン終了時まで、そのモンスターの攻撃力は600ダウンし、レベルは2になり、自分の「幻影騎士団」モンスターは戦闘では破壊されない。その後、このカードは通常モンスター(戦士族・闇・星2・攻600/守0)となり、モンスターゾーンに守備表示で特殊召喚する(罠カードとしては扱わない)。 

 このカードのいいところは、このカード一枚で展開と妨害両方行えるところです。

相手ターンに発動すれば、通常モンスターを特殊召喚して幻煌龍カードのサーチが出来、相手モンスターを対象にすることでシンクロ、エクシーズの妨害も行うことが出来ます。うま味ですね。

 

またサイドデッキにはワイトプリンセス、その他罠カードを積んで場合によってバージェストマ寄りの構成にチェンジすることも可能です。そこまで変える必要もないのですけれども。

 

プレイング

 

 基本的に相手が動かないとこちらも動けない構成です。1ターン目に手札にパシフィスが来ていればそれを出してメタカードを伏せることになります。

 パシフィスがある状態で通常モンスターを出したときの幻煌龍カードサーチ効果は状況によって変わります。相手ターンだったら基本的に罠カードでメタを用意し、自分ターンだったらスパイラルが一番出しやすい条件の装備魔法カードを用意することになります。もちろん状況によって、相手ターンでも装備カードをサーチすることもありますし自分ターンで罠カードをサーチすることもあります。

 通常モンスターを出して装備魔法が手札に加わった状態で自分のターンが来たら、通常モンスターに装備魔法を付け、状況に応じて邪魔なカードを罠カードで抑えてから攻撃をします。攻撃力アップ装備魔法と貫通効果付与装備魔法を両方つけたモンスターで相手モンスターを破壊してダメージを与えると、一回で2体のスパイラルを召喚できます。攻撃力アップ装備魔法の効果で相手に1000バーンも与えられるので、その後スパイラル2体で直接攻撃すれば

x(最初の戦闘ダメージ)+1000+2900+3400=7300+x

になり、xが700以上だと1ターンキルも可能になります。

装備先の通常モンスターはたいてい幻煌龍トークンです。そう考えると、トークンの攻撃力は2500になるので、守備力または攻撃力が1800以下のモンスターを倒すと1ターンキル成功になるということです。

 また、墓地の幻煌龍の戦渦を除外することで場の装備魔法を全て同じモンスターに集約させることが出来ます。それを活用することでもう少しダメージソースを上げることが出来ます。倒せるタイミングを判断して使いたいですね。

 

弱点、改良点

 弱点としては、通常モンスターがスパイラルとバージェストマカードしかないところですね。それによって1ターン目からパシフィスの効果を十分に発揮出来ないわけです。そして返しのターンにフィールド魔法を割られて何も出来ないという試合も何回もありました。

 また、メタカードばかりなので相手が動かないとこちらも動けないわけです。相手が動かないからこちらも展開できず、膠着状態が数ターン続くこともありました。

 

 改良点としては、もう少し通常召喚できる通常モンスターを複数用意するとかですかね。2月25日発売の

www.yugioh-card.com

が通常モンスターを活用したデッキでもあるので、そこから通常モンスターサポートを抜いて幻煌龍バージェストマに組み込むともう少し動きが出て楽しいデッキになるかもしれません。

 

派生デッキを作るならば

 他に幻煌龍と他テーマを混ぜるとしたら何か。第一に思い浮かぶとしてイグナイトがあります。何度でも出せるペンデュラムテーマで、かつ通常モンスターが展開できるので相性がいいです。問題としては新しいマスタールールの影響でエクストラデッキからのペンデュラム召喚もEXモンスターゾーンにしか置けないのでイグナイトがカナリ使いづらくなってしまった事があります。通常召喚したり手札からのペンデュラム召喚には支障は出ないのですが、イグナイト特有のサーチからのペンデュラム展開が阻害されてしまいました。少し悲しいですね。他に組めそうなものでは先程も紹介した恐竜テーマ

ですね。新カードである生存境界が、通常モンスターを破壊して恐竜族を展開するカードなので幻煌龍トークンを破壊しつつ通常恐竜族モンスターを出して幻煌龍カードをサーチするという動きができる事が魅力的だと感じました。ただパシフィスは効果モンスターを召喚特殊召喚したターンは効果を発動できなくなるので、他の恐竜効果モンスターをどれぐらい入れるか、スイッチの必要があるかなど、色々と考えることがありそうです。

 

最後に

このテーマは新しいマスタールールの制限にも引っかからず同じように展開ができ、また通常モンスターテーマが新しく出れば、このテーマとの混合を考えることが出来るので、将来性も十分にあるとても面白いデッキです。あまり注目されないテーマですけど是非デッキを作ってみてください。